本・イベント等紹介とレビュー

書籍レビュー:うちの鳥の老いじたく

〈うちの鳥の老いじたく〉を読みましたので、感想などを書かせていただきます。

結論から言いますと、素晴らしい本でした。

こちらの本の中にも書かれていますが、老鳥と暮らしている方だけではなく、すべての鳥と暮らしている方に読んでもらいたい本です。

基本情報

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〇単行本: 143ページ
〇出版社: 誠文堂新光社 (2017/11/10)
〇発売日: 2017/11/10

内容紹介
愛鳥に最後の日まで幸せに暮らしてもらうために、健康に長生きしてもらうために、飼い主が知っておきたいこと。
うちの子、歳をとってきかたかな? と感じたときの手引書として、
また健康に幸せに長生きしてほしいと考えるすべての鳥飼いさんに読んでほしい一冊です。

飼い主の意識の向上や医療技術の発達で、長生きする鳥も増えてきています。
高齢の鳥には、高齢なりの世話が必要です。
メンタルケアも、若いときとは異なるものが必要になるほか、高齢の鳥に発症しやすい病気もあります。
こうしたことに注意をすることで、もっと長生きしてもらうことも可能になります。
鳥の老いのサインなどを理解し、後悔しない鳥との一生のつきあい方を考えてみましょう。
そうすることで鳥も飼い主も共に幸せに暮らしていくことができるはずです。

文鳥などの小鳥から、大型インコやオウムまで、すべての鳥飼いさんに捧げます。

大きなカテゴリーは以下のようになっていて、章ごとに細かく様々なケースや対策を紹介してくれています。

1章 鳥の「老い」について、知っておきたいこと
2章 どう暮らそう?老鳥との生活
3章 老鳥の病気と健康の維持
4章 老鳥とのコミュニケーションとメンタルケア
5章 看取る日のために

ざっくり言うと鳥の”老い”の始まりから最後を看取るまで、どのような経過をたどり、どうすれば良いかを紹介してくれています。

小型から大型インコまでと書かれているとおり、様々な鳥に対応する事例や対策が書かれており、私は文鳥飼いですがとても納得できる内容でした。

うちの子はまだ若いから必要ない?

我が家の文鳥の最年長は4才のため、私もそう思って、気になっていましたが買わずにいました。

でも、先日モカが4才で旅立ってしまい(文鳥の平均寿命は約8年)、何か出来ることがあったのか・またこれからのために…と購入したのですが

この本を読んで分かったことは、鳥の老いは年齢では計れないということ。

もちろん個体差があることや、諸々理解しているつもりでしたが、私が思っていた以上に鳥にとっての年齢は当てにならないこと、他に見るべき所・気付くべき所がたくさんあるのだと思い知らされました。

こちらの本の中では、老いの始まり〜最後まで、具体的にどのような症状や違いが出てくるのか、そしてその対処法も詳しく書いてくれています。

また、科学的なデータや研究に基づいた数字や内容が載っていたり、横浜小鳥の病院の先生の見解を取り入れているところがとても素晴らしく、参考になると感じました。

筆者が鳥と暮らしていて、鳥が好きであることはもちろんで、その生活の中で培った知識や感覚も大事なのですが、こういう書籍としてきちんとした信頼できる内容であることは、とても素晴らしいと思います。(上から目線ですみません)

メンタル面も丁寧に解説してくれている

老化や病気のことはもちろん、鳥は老いを感じるのか・鳥の気持ちや、看取った後の飼い主の心のことまでしっかりと書いてくれています。

鳥の気持ちを理解するために、とても役に立つ内容です。

また、鳥の葬儀についてやパートナーを亡くした鳥のメンタルケアなど、実際に役に立つ情報も載せてくれています。

私は愛鳥モカを失って数日後にこちらを読んだので、とても心に響きました。

鳥も人間も時代は変わる、知識のアップデートが必要!

私は子供の頃から、途中ブランクがありますがもう20年は鳥と暮らしています。

20年前、我が家に居た鳥は冬でも当然ヒーターなんてありませんでした(それでも長生きしましたが)

鳥を診れる病院もほとんど無く、ほぼ病院に連れて行くことも無く、旅立った後は庭に埋めることが一般的で、人間のように骨まで拾わせてもらえるなんて思ってもみませんでした。

それが今は、ペット葬もずいぶん普及し、ヒーターや加湿器で環境を整えて、健康診断に行って、必要であれば薬や栄養剤を飲ませて…

それだけ鳥に対して何が必要で正しいのかが解明されてきたのだと思います。

私もそうですが、昔たいしたことをしていなくても長生きしてくれていた・大丈夫という思いがどこかにありました。

ですが、かわいい家族が正しい知識の元で、老い・寿命まで生きることが出来るように、定期的に知識のアップデートが必要だと痛感しました。

鳥飼いなら、読んで損は無い本

こちらの本に”雛の飼育書はたくさんあるけれど、老いた鳥のための本はほとんど無い”というようなことが書かれていましたが、正にその通りで、ここまで鳥の最後までを丁寧に書いた本は初めて読みました。

まだ家の子が若い場合でも、早めにこの本を読んで知識を得て、小さなサインに気付いたり、日々の暮らしを少し見直したりして

なるべくその子が持っている寿命まで、元気で穏やかに暮らせるお家が増えるといいなと切に思います。

私はこの本の作者の知り合いでも回し者でも何でもありませんが、本当に素晴らしかったので長いレビューとなってしまいました。

鳥と暮らしている方には、ぜひ手にとって頂きたい1冊です。

私も、都度読み返しながら、我が家の子たちの幸せな一生を手助けしたいと思います。