文鳥と暮らしていると聞いたことがあるかも知れない「フォージング」と言う言葉。
ダイエットのために行うイメージがありますが、実は目的はそれだけではありません。
フォージングとは何なのか、その意味や理由、必要性を探ってみましょう。
フォージングとは
フォージングとは英語で“Foraging”と言い、日本語では「採餌行動」と訳され、動物がエサを探すことを意味しています。
野生の環境で暮らす鳥たちは 1日のうち多くの時間をこのフォージングに費やしており、4~6時間近く食べ物となるエサを探しているそう。
これは1日の行動時間の1/3〜1/2にあたります。
文鳥も野生の場合はこのように1日の多くをフォージングに費やしているのです。
飼い鳥にフォージングは必要?
「労せずに手に入れたエサより、苦労して手に入れたエサの方が価値がある」と言う心理をコントラフリーローディング効果と言います。
これは多くの動物に見られる心理で、鳥にも確認されています。
つまり、上げ膳据え膳でいつでも何の苦労もせずエサを食べられるよりも、フォージングトイなどに入れられたエサを頑張って手に入れる方が 満足感を得られると言うことなのです。
心身の充実は健康で長生きするために欠かせないものなので、野生と比べ格段に刺激の少ない飼い鳥にとって、フォージングはとてもいいものだと言えます。
野生に近い行動を取り入れてあげられるというメリット
「環境エンリッチメント」という考え方があります。
環境エンリッチメントとは「鳥の本来の習性に近い行動をする時間を増やし、鳥に豊かな暮らしを感じられるよう環境を整えてあげること」
家庭で野生に近い生活をさせることは難しい部分もありますが、フォージングは手軽に野生の行動のひとつである「採餌行動」を取り入れられる方法なのです。
「暇」と言うストレスを軽減させるメリット
野生の鳥にとってフォージングは毎日行わなければならないこと。
さらにエサを探せばいいわけでは無く 見つけて食べることが出来なければ命に関わりますので、どうすれば・どこに行けば餌にありつけるかと思考と行動を繰り返します。
それに比べ毎日朝になると新しいエサが用意され、おやつも出てきて、暖かい寝床もあり…何も心配もなく難しいことも考えなくていい飼い鳥はとても幸せに見えますが、「暇すぎる」と言うストレスを抱えてしまう場合もあるのです。
鳥は暇で毛引きをしたり、余計に発情したり、元気がなくなってしまうことがあります。
フォージングは飼い鳥に考えること・することを与え、日常に刺激を与えると言う意味でもとても有効なのです。
フォージングの取り入れ方・道具
飼い鳥にさせるフォージングはあまり難しく考えず「エサを食べるまでに1ステップを挟む」ようなイメージをしましょう。
例えば「蓋を開けるとエサがある」「転がすとエサが出てくる」「穴を突くとエサが食べられる」と言う感じです。
市販の餌入れに厚紙の蓋をかぶせてみたり、エサをキャンディのように包んでみたり、ガチャガチャのカプセルにエサを入れてみたり(転がすと穴から出てくる)自作することもできます。
また、フォージングトイと言って専用の道具も販売されています。
文鳥のくちばしはあまり器用ではないため、難しすぎないものを選んだり作ったりしてあげて下さいね。
フォージングトイは失敗してもおもちゃとして使えると言うのもいい所、試しにひとつ買ってみてあげてもいいかも知れません。
聞いたことがあるけれど取り入れてはいないと言う方も多いフォージング。
もちろん絶対に取り入れなければならないものではありませんが、野生の鳥に近い行動をさせてあげられ、愛鳥の生活の満足度が上がることもあります。
フォージングトイは単なるおもちゃとしても使えますので、もしも愛鳥が退屈そうにしていたり 機会があれば、気軽にひとつ試してみてもいいかも知れませんね。
参考書籍
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