人に慣れておらず手に乗らない文鳥を「荒鳥(あらとり)」「手乗りくずれ」と呼んだりします。
文鳥=人によく慣れる・手乗りのイメージが強く飼う側もそのような状態を求めるため、手乗りではない文鳥はあまり販売されていませんが
お迎えした子が手乗りではなかった場合、あまり馴れていない成鳥をお迎えした場合など、どのように接すればいいか・どうすれば慣れてくれるのかを一緒に見ていきましょう。
成鳥からでも人に慣れてくれる?
時間と根気が必要ですが、優しく接すれば心を開いてくれる可能性は高いです。
ペットショップなどで売れ残って長くいる場合・複数羽飼いでほとんど構っていなかった場合など、もともと手乗りで慣れていた文鳥でも、成長するにつれ人への興味が薄れてしまい手に乗らなくなったような子もいます。
そういった場合はまた人が手をかけてあげれば、よく慣れた文鳥になる可能性は高いでしょう。
手乗りにするためには雛から育てなければならないと言うわけではないので、成鳥だからと毛嫌いしないであげてくださいね。
荒鳥・手乗りくずれに慣れてもらう方法
人に慣れていない文鳥をお迎えした場合、まず初めは優しく見守りましょう。
絶対に手乗りになってもらおう!と思うと文鳥もガードが硬くなったり、思い通りに進まない場合イライラしたりしてしまい逆効果になる事もありますので、あまり意気込まずに優しく見守ります。
その上で、少しずつ慣れてもらうためのステップを踏んでいきましょう。
ステップ1・怖がらせない
まずは過度に接触したり相手をしようとせず、あなたと言う人がいることに慣れてもらい、怖い人ではないと認識してもらいます。
- しばらくは放鳥せず、ケージから見える場所にいて慣れてもらう
- 大きな声や音を立てないように気を付ける
- ケージ越しに優しく話しかける(顔を近づけすぎない)
- 文鳥が鳴いたら「どうしたの?」「うん」などと返事をしたりコミュニケーションをとる
- 餌を替えたり掃除機や出かける際など、行動の前に声をかけるようにする
これらを毎日繰り返し、顔を近づけたりケージの側を通っても 文鳥が驚いたり逃げたりしなくなれば、次のステップに進みます。
場合によってはこのステップだけで数ヶ月かかる事もあるので、焦らずに待ってあげてくださいね。
ステップ2・文鳥が行動を起こすことを待つ
人の存在に慣れてくれたら、次は文鳥が行動を起こしてくれるのを促しつつ待ちましょう。
- 放鳥時間を決め、「出てもいいよ」などと声をかけてケージの扉を開けておく
- 文鳥が出てきたら無闇に近づいたりせず、行動を見守る
- 出てこない場合、時間がきたら「また明日遊ぼうね」などと声をかけ扉を閉める
- 放鳥に慣れてきたらおやつを用意した場所を作ったり、放鳥中に声をかけたりしてみる
この段階ではあくまで文鳥が自分で行動することを見守ります。こちらから無闇に近づいたり手を出すのはもう少し我慢してくださいね。
ステップ3・文鳥とコミュニケーションをとる
文鳥が飼い主さんの存在を自然に感じ、驚いたり怖がったりせず、ケージから出て行動することにも慣れてきたら、いよいよ接触を試みます。
- 近くに行き、あまり動かず優しく見守る
- 文鳥から近づいてきたり手や体に乗ってきたら、しばらくそのまま様子を見る
- 放鳥中に手の平におやつを乗せ、文鳥が乗ってくるのを待ってみる
- 手に乗ってくれるようになったら、放鳥時ケージから指に止まらせて出してみる
ここまでくれば、あとはどんどん慣れていってくれるでしょう。
長い道のりかもしれませんが、慣れていなかった子が自分を信頼して寄って来てくれる姿は感慨深いものなので、どうか気長に付き合ってあげて文鳥からの信頼を勝ち取ってくださいね。
成鳥からお迎えするメリット
文鳥の雛はとてもかわいく、雛から育てた方が懐きやすい事も多いですが、想像以上に弱い生きもの。
朝晩の寒暖差や餌をうまく消化できないなど、ちょっとしたことで命を落としかねません。
月齢の低い雛だと数時間ごとの挿し餌も必要なので、一人で餌を食べられ大人の羽毛が生えてくるまで育てるのには、それなりに時間や神経を使います。
その点成鳥でお迎えした場合は雛より体が丈夫で、一人で餌も食べてくれるので飼いやすく安心感があるというメリットがあるのです。
懐くまで非常に時間がかかる場合や、ベタ慣れにはならない事もある
文鳥は人に懐きやすいと言われますが、当然個体差があるので同じように育てても懐き具合が違う事はよくあります。
「握り文鳥」と言われるようなベタ慣れの子に憧れる方も多いですが、手を出しても逃げないというだけでも慣れてくれていると心得て、無理強いをしないように気をつけてあげましょう。
また、ペットショップにいた時にあまり可愛がってもらえなかったり、人によって何らかの嫌な思いをした場合は 懐いてくれるまで非常に時間がかかったり、手乗りになれない場合もあります。
ですがこちらが向ける愛情はきっと届いていますので、慣れ具合は様々でも受け入れてあげてくださいね。
成鳥からだと懐きにくそう…と敬遠されがちですが、そんな事はなく、成鳥だと育てやすく飼いやすいというメリットもあります。
どこまで・どのように懐いてくれるかは文鳥次第ですが、飼い主さんの気持ちはきっと伝わりますので、愛情を持って接してあげてくださいね。
参考書籍
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