赤くて大きなくちばしは、文鳥の特徴でありチャームポイントでもあります。
なぜこんなに可愛い色や形をしているのか、くちばしはどのようになっているのか。
普段何気なく眺めている文鳥のくちばしについて学んでみましょう。
文鳥のくちばしの基本構造と機能
文鳥のくちばしは健康な時は鮮やかな朱色〜赤色をしており、形は太いピンセット型で、主に種子類をつつき殻を割って食べることに適した形です。
インコやオウムほどの器用さはありませんが、主食である種子類の殻を上手に割って中身だけを食べることが出来ます。
噛む力はそこまで強くはありませんが、突く力は強いため注意が必要。文鳥同士(特にオス同士)で喧嘩をすると、くちばしが傷だらけになったり出血したりするほどの力があります。
くちばしは上下の顎の骨をタンパク質であるケラチンが覆うことで形作られており、爪のように常に伸び続けていますが、上下をすり合わせることで一定の長さが保たれています。
くちばしは手の代わりでもある
手がない文鳥にとって、くちばしは手の代わりも果たしています。
食べるだけではなく、毛繕いをしたり物を運んだり、人が指先でツンツンとするようにくちばしで突いて 仲間に合図したり新しい物を確かめたり…
様々なことにくちばしを使う様子は、見ていると人間味がありとても微笑ましいと同時に、それだけ重要な役割を担っているのだと認識させられます。
くちばしが伸びすぎるのは摩擦がないから?
カルトボーンや塩土などかじり摩耗させてくちばしをすり減らしていると言うのは迷信で、そう言ったものがない生活をしていたとしても、くちばしが伸びすぎてしまう場合は何らかの原因があると考えられます。
くちばしの変形や伸びすぎは主にケラチンの合成がうまくいかない疾患(肝不全・栄養不良など)や成長版の障害により起こるため、通常健康な場合は特別なメンテナンスをしなくても適度な長さを保てるはずなのです。
注意してあげたい点
くちばしには血色がそのまま現れているため、くちばしの色は人間で言う”顔色”のようなもの。
体調が悪かったり病気などがあると変化が見られるため、目視での体調管理には欠かせない部位です。
くちばしがどのように変化することがあるのかを知っておき、日々の健康チェックに役立てましょう。
くちばしの色が暗い・紫色っぽい
血色が悪く、状態が悪い時や酸素が十分に供給されていない時によく見られます。その原因として気道炎や甲状腺機能低下症害などの可能性もあります。
老化や単なる体調不良でも見られる場合がありますが、かなり状態が悪いことも多い色なので、早急にかかりつけや鳥を診られる病院での診察をおすすめします。
くちばしの色が白っぽい
貧血や換羽などで見られるほか、肝臓障害の症状の一つとしてもよく見られます。
原因が分かっていて(換羽疲れや深爪をして出血した など)一時的なものの場合もありますが、病気などの場合は治療をしなければ改善されません。
いずれにせよ体調が悪いことは確かなので、注意してチェックしてあげましょう。
くちばしが変形したり伸びすぎている
先に書きましたが、くちばしの変形や伸びすぎは主にケラチンの合成がうまくいかない疾患(肝不全・栄養不良など)や成長版の障害により起こります。
先端が伸びすぎて交差してしまったり、牙のように伸びたりと状態は様々で、こちらも一時的なものから病気などが原因の場合まで理由はさまざま。
くちばしには血管や神経が分散しているため、伸びすぎた部分をむやみに切ることはせず、専門の医師に整えてもらいましょう。
もし出血してしまったり痛みが出てしまうと、食欲不振を起こす場合があります。
エサを飲み込めない、落とす
くちばしの変形により噛み合わせが悪くなったり、口の中に痛い箇所がある、噛む力が弱っているなどが考えられます。
口内が何かで傷付いたり、体調不良や老化・病気などで噛む力が弱っている可能性が考えられますが、いずれにしても食べられないと言うことは命に関わるので、気がついたらなるべく早く鳥を診られる医師の指示を仰ぎましょう。
鳥は飛ぶために常に体を軽く保ち、食料をあまり貯められないため、半日食べられなかっただけでも落鳥してしまう可能性があるのです。
口の中の状態がおかしい場合も要注意
口の中がネバネバしていたり、口臭がする・口からプチプチと音がすると言うような場合は、できるだけ早く専門の医師の指示を仰ぎましょう。
基本的に文鳥の口の中は綺麗で無臭、異様な音もしないはずなので、何らかの疾患がある可能性があります。
口に違和感や痛みがあり食べられなくなってしまうと即命に関わってきますので、注意してあげてくださいね。
文鳥のチャームポイントでもある大きなくちばし。
食べることはもちろん生命維持に大切な役割を担っているので、毎日の生活の中でちょっと気にして見るようにしてあげましょう。
※この記事は管理人の経験及び参考書籍をもとに作られています。参考元の情報に変更があった場合、加筆修正を行う可能性があります。
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