文鳥を知ろう

文鳥の発情・メスの産卵について 体の変化や注意点

他の動物と同じように、文鳥にも発情期があります。

人間のように好き嫌いがあり、恋をしてペアになり、仲良くつつき合っている…そんな姿はとても微笑ましいものですが、体の小さな文鳥にとって発情し産卵すると言うことはとても大変な事。

時には命に関わることもあります。

知識があれば予防できる事もありますので、文鳥の発情と産卵について詳しく見ていきましょう。

文鳥の発情期はいつ?

文鳥の発情期は通常、秋から春にかけてです。

この時期に「気に入った相手」「豊かなエサ」「安心できる安全な産卵場所」が揃うと発情し、繁殖につながります。

ですが体調が良くなかったり気分が乗らないなど、些細な理由で発情しないこともよくあります。

繁殖するためにはオス・メス両方が発情している必要がありますので、繁殖を望む場合は無理は禁物。タイミングをそっと見守りましょう。

繁殖させたいと思ったら考えて欲しいこと

ひっついて毛繕いをしたり、2羽でつぼ巣に入ったり…そんな仲のいいペアやお気に入りの子が居ると、つい繁殖させたいと思う飼い主さんも多いはず。

ですが産卵や孵化・文鳥の子育ては理想通りに行かないことも多々あります。

死産になってしまったり、親鳥が命を落としてしまったり、育児放棄して雛が育たなかったり…悲しいですがこのようなことも起こりえます。

そしてもしそうなった場合、飼い主さんが責任を取り雛を育てたり、親鳥のケアをしなければなりません。

繁殖を望む場合は、責任と覚悟を持つ必要があるのです。

発情・産卵時のメスの体と行動

発情するとメスの卵管・卵巣は通常の10倍ほどの重さになり機能を始めます。

そのため普段より体重が増えたり、大きなフンをするようになります。

交尾が成功すると、約3日後に1つ目の卵を産み、その後1日1個ずつ卵をつくり、約1週間かけて6個程度の卵を産みます。

産卵によりメスの体はカルシウムが不足するので、ボレー個などのカルシウム源を食べる姿が普段よりも多く見られます。

メスにとって産卵は重労働なので、体力が無ければ卵詰まりで命を落とすこともあります。

産卵に向かない個体の特徴

①生後8ヶ月未満…生後4ヶ月頃から発情する個体も居り、平均的には生後6ヶ月で性成熟していますが、成長が遅い個体も居ます。

②小柄なメス…体重22g未満だと骨盤が小さく、通常の卵を作ることが難しいです。ブリーダーが繁殖に使う個体は30g以上です。

③病気・肥満などのある個体…健康であることが第一条件なので、病気などがある場合は発情させないように心がけましょう。

高齢・4歳以上のメス…初産で4歳以上だと体力低下による危険を伴います。また、初産では無くても高齢の文鳥も産卵には向きません。

上のような個体は産卵で命を落とす危険が高いため、なるべく発情を抑制し、産卵させないように気を付けましょう。

なるべく発情させない方法

上のように産卵に向かず命の危険が大きい子や、1羽飼いやパートナーがいないメス(無精卵しか産まれる可能性がない子)の場合、産卵をさせない方が望ましいです。

メスの死亡原因の1位は卵詰まりと言われており、そうならなくても体への負担が大きいためです。

▷文鳥のメスがかかりやすい病気(近日公開予定)

文鳥のメスは発情すると交尾をしなくても卵(無精卵)を産むため、なるべく発情させないことがポイント。抑制方法を具体的にチェックしましょう。

エサを過剰に与えない

産卵させたい場合は発情期に粟玉を多めに与えます。つまり産卵させたくない場合はエサや摂取カロリーを増やさないよう注意が必要です。

生活空間を12時間以上暗くしない

暗い時間が長いと発情しやすいと言われているので、必要以上に暗い時間を作らないよう心がけます。

スキンシップを控える

特にメスの背中を撫でると発情を促してしまいますのでやめましょう。

寂しいですがこの時期はスキンシップを控え、必要以上に触ったり話しかけたりしないよう心がけます。

適度な緊張感を与える

安心・安全な環境がある=産卵に適していると判断し発情しやすくなりますので、見たことの無いものを一つケージに置くなどして適度な緊張感を与えるといいとされています。

文鳥にとって少しかわいそうな気もしますが、少しの間我慢してもらいましょう。

巣になりそうなもの・場所を与えない

つぼ素や新聞紙・小箱や調度良いスキマなど、安心できる産卵場所があると発情が促されてしまいます。

一度産卵するとクセになってしまうことも多いので、特に最初が肝心。

2~3歳になると発情しにくくなる子が多いので、それまで抑制に力を入れましょう。

文鳥のメスにとって、産卵はまさに命がけの重労働。

繁殖を望む場合は覚悟と責任を持って、繁殖を望まない場合は発情の抑制をして、文鳥のサポートをしてあげましょう。

注意してケアをしてあげれば、しっかりと長生きしてくれる可能性が高まるのです。

参考書籍