文鳥と暮らす

文鳥は飼いやすいって本当?文鳥はこんな鳥

文鳥の紹介として「お世話が簡単」「鳴き声が大きくない」「一人暮らしでも飼いやすい」などと書かれていることもありますが、文鳥は本当に飼いやすいのでしょうか?

手がかからなくてお利口な鳥?丈夫な鳥?文鳥ははどんな鳥なのでしょうか。

もしも「お世話が簡単なのだったら…」「手間もお金もかからないなんて素敵」と思ってお迎えを考えているのでしたら、どうかお迎えの前にこの記事を読んで、文鳥のことを少しでも知って頂けると嬉しいです。

文鳥が「飼いやすい」と言われる訳

文鳥はペットショップなどで簡単に・安価に手に入ります。白文鳥や桜文鳥なら3000円程度で販売されています。

小柄なのでそこまで広いスペースも必要とせず、ケージ程度で特別な設備はほとんど必要なく、1羽なら食べる量も少しなので、餌代や維持費は月に数百円程度でしょう。

人によく懐き、鳴き声も大きくないので、マンションや一人暮らしでも飼いやすく、癒しを得られるとよく言われます。

でもそれらはすべて、最低限の生活環境かつ文鳥が健康で元気な成鳥である場合に限られる話です。

もしも「簡単に飼えそうだから」「手間やお金が掛からなさそうなのに可愛いから」と言う風に考えている方が居たら、その状態で文鳥が幸せなのか・お迎えしていいのか…少し立ち止まって考えてみましょう。

文鳥のことを知ろう

文鳥は賢くてかわいい鳥です。ですが世話を必要としないわけでも、特別丈夫なわけでも、ずっとお利口なわけでもありません。

文鳥の性格や特徴を踏まえて、飼いやすいと言われている部分が本当かを少し考えていきましょう。

お世話が簡単?

お世話を「ケージ(鳥かご)の掃除と餌・水の取り替え」と捉えるのであれば、1日10分もあれば終了しますので簡単と言えるでしょう。

ただし病気などの場合、こまめに掃除をしたりケージを熱湯消毒したり、投薬したりと頻繁にお世話が必要になることも。

また、雛の場合多ければ1日6〜7回挿し餌が必要になり、温度管理や体調チェックなど目が離せないので、特に生まれて日が浅い雛をお迎えすると一日中付きっきりの状態になります。

文鳥は丈夫で長生きしやすい?

一般的には文鳥は丈夫な分類の鳥だと言われますが(特に桜文鳥は丈夫だと言われる)、個体差があり個々の寿命が違うので、全員が丈夫で長生きではありません。

先天的に弱い子も居れば、病気にかかったり、暑さや寒さで体調を崩してしまう子もいます。

文鳥は決して特別丈夫な鳥ではありません。

ケージだけで飼える?

最低限、ケージ(餌入れや水入れ付き)と保温器具があれば暮らしていけるとは思いますが、状況に合わせて生活環境を整えてあげる気持ちがなければ、幸せに天寿を全うすることは難しいでしょう。

例えば寒い地域なら保温器具を買い足してあげたり、暑い日は人がいなくてもクーラーを付けておいてあげる。

ケージの中も暮らしやすいように、止まり木やつぼ巣を足したりアレンジしてあげる。できればケージの外にも少し、遊び場やおやつを摘めるような場所・休憩場所を作ってあげる。

雛の時は小さなプラケースで、成長したら余裕あるケージに引っ越し、病気や老化が始まったら小さめのケージに移る…など、文鳥のためを思うなら状況に合わせた変化や物が必要になってきます。

人によく懐く?

文鳥は人間にとても懐きやすい鳥です。ですがそれは、人間側が文鳥に愛情を向けていればの話です。

文鳥はとても賢いので、飼い主が自分のことをどう思っているのかを察し、どんな風に声をかけてくれたりお世話をしてくれているのかをよく観察しています。

ですので、こちらが日々のお世話も触れ合いもそこそこに、文鳥にはベタベタに懐いてもらって癒しをもらうということは難しいでしょう。

注いだ愛情を感じ取って返してくれ、信頼を寄せてくれる…文鳥はそんな賢くて愛情深い生き物なのです。

鳴き声がうるさくない?

「地鳴き」と呼ばれる、いわゆる文鳥の普段の声は「ピッ」「チョッ」といった感じで音も大きくなく、近所迷惑になるほどではありません。

ただし呼び名きや求愛ソング・怒ったときの声など、音量が大きかったりずっと鳴き続けるような場合もあります。

また、1羽の声は小さくても数が増えると結構な音量になります。

基本的に文鳥の鳴き声はうるさい程ではありませんが、そこそこの音量になったり鳴き続けるようなこともあると認識しておきましょう。

お金がかからない?

文鳥1羽であれば、ケージや保温器具なども複数必要なく、1日に食べる量も少しなので、月の維持費は数百円程度でしょう。

ですがこれは最低限の生活の場合です。

1羽でもなるべく広いケージにしてケージ内に物を追加したり おもちゃを買ってあげたり、餌も健康的なものを選んだり、野菜や果物をあげたり、人が外出していてもエアコンをつけておいたり…

このように文鳥のことを考えて快適に暮らせるようにしてあげようとするほど、少しづつですが掛かるお金が高くなります。

また、病気になって通院したり治療したり、入院したりということになると、何万〜何十万というお金が掛かることもあります。

ペット保険に入っていない限り全額負担になりますので、基本的に高額の支払いになるということを覚悟し、準備をしておきましょう。

1人暮らしでも飼いやすい?

健康な文鳥(成長)であれば、1人暮らしで日中仕事などに出かけている人でも、朝・夜のお世話と触れ合いで文鳥を飼うことができます。

1羽なら声も大きくなく、大量のゴミや匂いが発生するわけでもないので、1人暮らしのマンションでも飼いやすいでしょう。

ただし、文鳥は愛情を求める生き物。

朝・晩の短い時間や休みの日だけでも、しっかり触れ合ったり愛情を注いであげられるならいいのですが、なかなか相手をしてあげられそうになかったり、日々のお世話を面倒と感じるようなら、お迎えは諦めましょう。

ペットを飼うと言うことは、その生涯に責任を持つと言うこと

野生の動物は、自分の力で生きています。厳しいですが自由です。

ですが、お迎えされたペットは飼い主が用意した環境でしか生きられません。

飼い主が用意した場所に住み、出された餌を食べ、渡されたおもちゃや飼い主と遊んで夜になったら寝る…それは一見とても楽で幸せそうに感じますが

では飼い主が健康を考えた餌を用意してくれなかったら、全く相手をしてくれなかったら、暖かい寝床を用意してくれなかったら…もう飼われている以上どうすることもできず、その環境で生きていくしかないのです。

ですからどうか「楽そう」「お金がかからなさそう」という理由で飼ったりせず、その子を幸せにしてあげようという気持ちでお迎えしてあげて、精一杯愛してあげて欲しいと思います。

かわいい見た目に手が届きやすいお値段、簡単に飼い始めることができる文鳥。日々のお世話も簡単でコストも低い。

ですがそうではない場合もあると心得て、手間やお金が掛かる時が来ても変わらずお世話をしてあげられるか、愛してあげられるかを、お迎えする前に一度考えてみてくださいね。

もちろん、一生元気で病院代もお薬代も、難しいお世話もゼロだった!という子もいますので脅すわけではないですが、どうか最後まで責任を持てるようにして頂きたいと思います。

※この記事は管理人の経験を元に作成しています。各家庭状況や考え方により、意見の違いなどもあるかと思いますが、ひとつの参考としてお読みいただけますと幸いです。