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書籍レビュー:インコの手紙

〈インコの手紙(完全版)〉を読みましたので、レビューを書かせて頂きます。

基本情報

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  • 発売日:  2015年12月
  • 著者/編集:  あきばたまみ
  • 出版社:  経済界
  • 発行形態:  絵本

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「正直言うとぼくはあなたがキライです」一緒に過ごした時間が愛おしくなる。インコから飼い主への手紙。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
あきばたまみ(アキバタマミ)
絵本作家。福島県福島市生まれ。共立女子大学文芸学部卒。ニューヨーク留学を経て帰国後、2007年、絵本『インコの手紙』(経済界)出版。その後、主に、故郷の福島県を舞台にした作品をてがける。絵本製作のほか、パステル画ワークショップ講師としても活躍。2008年、Hondaのマレーシア現地法人、ホンダマレーシアがWWFマレーシアと行った「スマトラサイレスキュープロジェクト」に参加。現地の子供たちとワークショップを行う。2012年、2013年にはニューヨークにてワークショップを開催

2007年に発売された「インコの手紙」に未公開カットを追加したものが完全版のようで、こちらを購入しました。

ネタバレ・内容画像含みますので、気になる方は閲覧をお控え下さいね。

「正直いうと ぼくはあなたがキライです」

こんな言葉から始まるのでどんな内容だろうと思いましたが、主人公のインコと飼い主の女の子のお話…

思っていたよりも女の子がひどいことをしたりします。

「ぼくの前でチキン食べたりするんだもん」

それは私もするけれど…

「ぼくをさかさまにつかむし」

それはしないなぁ…あと油性ペンでまゆげを描いたりもしないなぁ…

こんなふうに女の子がインコにとって嫌なことをするから、インコは女の子がキライだよ、という始まりなのですが…

どんな風になるか想像がつく方も多いと思いますが、私も想像していましたが、それよりも上をいく内容でした。

命の尊さを伝える本

インコを飼ったことがある方はもちろん、鳥や他のペットを飼ったことがある方、更にペットとのお別れを経験したことがある方ならとても心に響く本では無いかと思います。

私も我が家の旅立った子と重ねて読んでしまいましたが、こちらは幸せな時間を与えてもらい、後悔の少ないお別れが出来たとしても、ペットの方がどう思っているかは分からない。

ありがとうとか大好きだよとか、幸せだったよとか、こちらと同じように感じていてくれたら嬉しいけれど…どう思って旅立ったのかな、最後辛くなかったかな…

そんな人間側の気持ちや後悔を、ちょっとほぐしてくれるような、きっと幸せだったと信じさせてくれるような内容でした。

逆に生きている間にもっと大切に出来たのに、ひどい事ばかりしていた…と思う場合は、心に刺さる内容でしょう。帯にも同じ事が書いてありました。

この本はインコが主役で、小さな命を愛おしく想う気持ちが伝わってきますが、人に置き換えても同じで命の尊さや温かさを教えてくれる素敵な本だと想います。

ほっこりイラストが内容にぴったり

作者のあきばたまみさんは、このインコの手紙の始まりとなる物が出来た時 パステルの存在すら知らなかったそうですが、とてもほっこりした優しいパステル画を描かれています。

この絵だからこそ本の内容が悲しかったり辛くなりすぎず、優しく温かいものになったのだろうなと。

作者のパステル画との出会いも素敵ですし、色々なことが重なってこの本が世に出る運命だったんだろうなぁ、なんて思ってしまいます。

インコの手紙、私は文鳥と暮らしていますが、とても心に響く本でした。

正直号泣ものなので、絵本として子供に読み聞かせるのは難しそうでまだ読んであげられていないのですが…ひとりではもう何回も読みました。

何度も読み返したくなる、そんな本です。

最後、我が家の子たちもこんな風に思って旅立てていたならいいな、という気持ちになりました。

機会があればぜひ読んでみて下さい、おすすめの一冊です。

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