文鳥のメスは産卵という大仕事があるため、かかりやすい病気や注意してあげたい点があります。
命に関わることも多いので、できるだけ体の負担を減らし長生きさせてあげられるよう、メス特有の病気について学びましょう。
文鳥のメスがオスより高く販売される理由
文鳥のメスは、オスに比べて割高で販売されることがあります。
それはメスが産卵障害などにより命を落としやすく、オスよりも数が少ないからなのです(10年以上生きた割合は オス4:メス1というデータも ※1)
そのため、メスを長生きさせるためには特有のケアが必要になってくるのです。
無精卵を産ませないことが大事
メスは発情をすると交尾をしなくても産卵しますが、これはできる限り避けたいもの。
無精卵はヒナが産まれる可能性もなく、卵詰まりを始めとしたさまざまな症状に繋がる可能性があるからです。
無精卵を産ませない=発情させないことがポイントなので、発情を促すような飼い主側の行動はできるだけ避け、発情に適した環境にならないように気を配りましょう。
なるべく発情させない方法
- エサを過剰に与えない
- 生活空間を12時間以上暗くしない
- スキンシップを控える
- 適度な緊張感を与える
- 巣になりそうなもの・場所を与えない
などの方法があり(※2)、触れ合いを減らすなど文鳥にとっても飼い主にとっても辛いものがありますが、2歳を過ぎるとあまり発情しなくなることも多いので最初が肝心。
逆に一度発情するとクセになってしまう場合もありますので、元気に長生きしてもらえるよう、少しの間頑張りましょう。
↓こちらに発情させない方法の詳細を書いています
文鳥のメスがかかりやすい病気
文鳥のメスがかかりやすいのは”産卵障害”です。その原因と症状・治療方法を見ていきましょう。
卵づまり
【原因と症状】
卵管内に卵が詰まってしまう症状。
不毛を膨らませたり苦しそうにしたりと言った症状が見られ、お腹が膨らんでいたり、お腹の部分を触ると堅い物が当たることもあります。
原因はカルシウム不足や寒さ・ホルモン異常や卵管の機能低下など。若すぎる文鳥や高齢の文鳥、産卵をしすぎた文鳥に多く起こります。
【治療方法】
軽度の場合は暗い場所で保温をすると自然に出てくる事もあります。
自然に産卵できない場合は、獣医師によりお腹を圧迫したり開腹手術をして取り出すことになります。
卵管脱
【原因と症状】
卵管が反転して、総排泄孔から飛び出してしまう病気。
産卵時の力みすぎや、卵づまりなどで卵管が炎症を起こすことが原因です。
赤いもの(内臓)がおしりからぶら下がって見えるため、慌てたりむやみに触ったりしないように注意します。
【治療方法】
病院での早急な治療が必要な状態なので、自宅で様子を見るという選択肢はありません。
飛び出した卵管を文鳥自身がつついたりしないよう注意しながら(可能であれば厚紙などのエリザベスカラーを装着する)卵管が乾燥しないよう生理食塩水で保湿しつつ病院へ急ぎます。
卵管を体内に押し戻したり、卵管を取り除く手術を行います。
卵材停滞
【原因と症状】
卵管内に卵の材料となる黄みや白身・殻などが詰まってしまう症状。
卵管が腫れてお腹が膨らみ、しんどそうな様子が見られたりします。重症化すると腹膜炎を引き起こすこともあります。
原因は卵づまりと同じカルシウム不足や寒さ・ホルモン異常や卵管の機能低下などです。
【治療方法】
卵材が少量の場合は、薬剤を投与して様子を見ることがあります。それでも取り除けない場合や重傷の場合は、開腹手術を行います。
産卵障害を予防するために
発情・産卵させないことが一番ですが、卵詰まりや卵材停滞の原因はカルシウム不足であることが多いので、文鳥のメスには意識してカルシウムやビタミンを与えるようにします。
ペレットの場合は基本的に別途与えなくても良いですが、シード主食の場合はそれらを補えるサプリメントや副食を与えましょう。
発情してしまったら、毎日お腹をチェックして卵が無いか確認することも大切。丸1日以上卵がお腹の中にあると命に関わる場合があります。
軽度の卵づまりは保温で解消することもあるくらいなので、普段も室温が低くなりすぎないように気を付けるといいでしょう。
※イラストはイメージです。果物にもビタミンは含まれますが、それ以上に糖分が多いので副食として与えるには適しません。
控えめで気まぐれで、かわいい文鳥の女の子たち。
その小さな体で産卵すると言うことは、体に大きな負担がかかります。
無意味な産卵はできるだけ避けて、元気に長生きしてくれるようにサポートしてあげましょう。
※1 参考書籍「もっと知りたい 文鳥のこと。」より
※2 諸説ありますので一例です
参考書籍
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