羽咬症(うこうしょう)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
鳥が自分の羽を噛んだり千切ったりしてしまう問題行動のことを言うのですが、酷くなければ飼い主さんが気づいていなかったり 見逃してしまっている場合も多くあります。
羽は鳥にとってとても大切なもの、それを傷付けることは色々な問題に繋がりますので、羽咬症とはどんなものか・原因や症状などを見ていきましょう。
羽咬症とは
その名の通り”羽を咬んで”しまい、それによって羽がボロボロになったり傷付いたりしてしまうこと。
羽自体を引き抜いてしまうことを毛引き症と言いますが、羽咬症は羽軸(うじく)を残して羽枝を傷つけたりむしり取る症状を指します。
くちばしで行うため、届かない頭部以外の羽に影響が及びます。
毛引き症と言えばインコなどのイメージで文鳥にはあまり見られませんが、羽咬症は文鳥によく見られます。
症状
羽咬症は長羽損傷型と短羽損傷型の2種類があり、文鳥によく見られるのは長羽損傷型です。
長い羽(風切羽など)を噛んで変形したり曲がったり、千切れさせてしまいます。
見た目に問題があるだけではなく、羽が綺麗に揃っていない状態になるため、うまく飛べなかったり飛ぶ際に通常よりも負荷がかかってしまう事になり、文鳥にとって非常に負担になります。
原因
羽咬症の原因と考えられる事は多数あり、また複数の原因による場合もあるため特定が難しいこともありますが、基本的には羽毛や皮膚にかゆみや痛み・違和感が生じ、それが引き金となって羽咬症を発症することが多いとされています。
考えられる代表的な原因としては以下のようなものがります。
- ストレスや恐怖
- 栄養不良
- 皮膚の炎症や寄生虫・外傷
- ホルモンバランスの乱れ(発情期にも多い)
- 病気や体調不良
また、退屈なため自分の羽を噛んでしまうと言うこともあります。
野生の鳥と違い、飼い鳥はかなりの確率で退屈を感じていると言われており、それが原因で羽を噛んだり自傷行為をしたり、発情につながるとも言われています。
このように羽咬症の原因は多岐にわたるため、愛鳥の様子などから何が原因なのかを見極める必要があります。
対処方法
根本的な原因を取り除かなければ改善しませんが、先に書いたように原因の特定が難しい場合が多く、また原因が分かっても癖になってやめられない場合もあります。
羽咬症が軽い場合は様子を見つつ原因を探り、飛べない・羽が折れて血が出るなど危ないと感じる場合、長く症状が見られる場合などは鳥を診られる病院で指示を仰ぎましょう。
羽咬症はそれだけで命を落とすようなことではないので、原因が特定できない、色々試したけれど改善されないと言う場合は、羽咬症と共存する事になります。
その場合は飼い主さんの心の準備とサポートが必要になりますので、無理のない範囲で協力してあげてくださいね。
羽咬症は飼い主さんの理解とサポートが必要
どうしても原因がわからない、また分かっても色々試しても改善されないと言う場合は、羽咬症と共存していく事になります。
その場合少しでも状態が改善するよう、例えば飼育環境を見直したり 少しでもストレスになっていそうなことを取り除いたり、スキンシップの時間を増やして安心させてあげたりと、飼い主さんの理解とサポートが必要になります。
羽を噛み出しても怒らず「どうしたの?」「大丈夫?」と優しく声をかけたり手に乗せてあげたりしましょう。
少しでも改善されれば御の字・ちょっと不便かもしれないけれど大丈夫だからねという気持ちで、飼い主さんもストレスを溜めないように羽咬症と向き合っていけるといいですね。
文鳥によく見られる羽咬症。どの子も発症する可能性があります。
それだけで命に関わるものではないため、鳥さんも飼い主さんもストレスを感じすぎずに、ゆっくり向き合って少しでも改善されれば◎
愛鳥さんの様子を見て、原因となる物事がないかチェックしてみてくださいね。
参考URL:みやぎ小鳥のクリニック/小鳥センター病院 小鳥の病気.com
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