スズメに似た身近な小鳥
文鳥はインドネシアのジャワ島やバリ島が原産地の、スズメ目の小鳥です。
文鳥の英名は「Java Sparrow」ジャワ島のスズメという意味で、その名の通りスズメに似た見た目をしています。
スズメ目の鳥は”フィンチ”と呼ばれ、一見似ていそうなインコやオウムとは全く違う分類になります。
文鳥はオスとメスで体格や色などの大きな違いが無いため、ヒナの間は性別は分かりません。
個体差はありますが、体が比較的丈夫でよく人に懐くため飼いやすく、昔からペットとして人間と生活を共にしてきたとても身近な小鳥です。
体の特徴
平均体長13〜15cm・体重25〜30g
ツヤと光沢のある羽毛に覆われていますが、おなかなど羽毛が生えていない部分もあります。
羽毛のカラーは個体によって違いますが、インコのように黄色や青などは居らず、白・黒・グレー・ベージュといったシックで上品なカラーリングも愛される理由のひとつです。
ヒナ〜若鳥の間はくちばしや羽の色が成鳥と違います。
くちばし・アイリング
なんと言ってもこの大きな赤いくちばしとアイリングが、文鳥の特徴。
血色がそのまま表れているため、元気な時は鮮やかでツヤのある赤色をしています。色が薄くなったり悪くなっている場合は注意が必要です。
大きなくちばしは種子などの皮をむいて食べるのに適していて、とても上手に中身だけを食べることが出来ます。
インコとは違いくちばしでの細かい作業は得意ではなく、噛まれてもあまり痛くありませんが、突く力は強いので注意しましょう。
そのう
のどの辺りにある、食べ物を一時的に貯めておくための場所を「そのう」と言います。
成鳥になると羽毛に隠れてしまいますが、ヒナの間はよく見ることが出来ます。
文鳥が生きていく上でとても大切な器官で、そのうが空の状態が続いたり上手く機能していないとすぐに生命に関わるので、特にヒナの間は注意してチェックしましょう。
耳・鼻
文鳥の耳は、ほっぺのように見えるあたりにあります。ふだんは羽毛で隠れていますが、音は良く聞こえています。
この辺りをマッサージされることが好きな文鳥さんも多いですが、あまり強くしたり、直接耳の穴を触らないようにしてあげましょう。
鼻はくちばしの付け根に空いている小さな穴です。
顔を近づけると、かすかに息づかいが感じられますよ。
尾脂腺・総排泄孔
背中側の尾の付け根には尾脂腺(びしせん)と言う脂を分泌する場所があり、羽づくろいでここから脂を全身に広げます。
そのちょうど反対側あたりに総排泄孔(そうはいせつこう・おしりの穴のこと)があり、排泄と生殖器官があります。メスはここから卵を産みます。
ふわふわのおしりですが、糞をする際は羽毛がよけるように広がるため、基本的におしりの周りは綺麗に保たれています。
文鳥は綺麗好きなので、逆におしりが汚れている場合は、体調不良や病気など何かの理由があるのかも知れません。
脚・爪
脚の指は全部で4本あり、前に3本・後ろに1本が向いている形が正常です。木の枝に止まるにも、地面を歩くのにも都合の良い形です。
脚にも血色がそのまま表れるため、健康な場合は綺麗なピンク〜赤色をしています。
爪には血管が通っており、爪切りの際はこの血管を切らないように注意が必要です。
脚や爪の大きさは骨格によるので個体差が大きく、一般的に脚が太く大きいほど強く健康である(骨格がいいため)とされ、ヒナを選ぶ際の基準としてもよく使われています。
文鳥はそのコンパクトなボディに、たくさんの機能と魅力を詰め込んでいます。
スズメに似ているので何となく想像が付く方も多いかも知れませんが、細部まで見てみると、感心すると共により文鳥のことが愛らしく見えてきますよ。
基本の体の特徴やつくりを知っておくとちょっとした異変にも気付くことが出来ますので、一緒に暮らしている方はゆっくり文鳥とたわむれながら、観察する時間も作ってみて下さいね。
参考書籍