鳥と暮らしていると必ず目にする「換羽(かんう)」。
文鳥たちも時期が来ると古い羽毛が抜け落ち、新しい羽毛に生え変わるのですが、換羽が「年に何回もあるけれど大丈夫?」「一部しか生え変わっていないような…」と言ったこともあるのではないでしょうか。
今回は鳥の換羽の回数やしくみなどを学んでいきましょう。
★換羽の基本的なこと・注意してあげたいことなどはこちらに詳しくまとめています↓
換羽は年に一回・春だけじゃない
換羽の基本情報として春頃、発情期が終わった頃〜1ヶ月ほどかけて全身の羽毛が生え変わる場合が多いとされていますが、必ず全身の羽毛が生え変わるわけでも 必ず春に訪れるわけでもありません。
鳥たちには4つの換羽、完全換羽・部分換羽・不規則換羽・補充換羽があり、それぞれ特徴があるので少し見てみましょう。
完全換羽
一回の換羽で全身の羽毛が抜け替わるものを完全換羽と言います。
ただし一度で全てが抜け落ちるのではなく、部分的に断続的に抜け落ち、徐々に全身綺麗に生え変わるという感じです。
これが皆さんのイメージする一般的な換羽で、発情期が終わった頃に始まることが多いと言われています。
部分換羽
風切羽・雨覆(あまおおい)・小翼羽・尾羽 以外が抜け落ちることを部分換羽と言います。メインの大きな羽は抜けないイメージです。
文鳥の羽のつくりや名称についてはこちらに詳しく記載しています↓
不規則換羽
消耗して形状が壊れた羽のみが抜け替わることを不規則換羽と言います。
完全換羽がなく、不規則換羽が続く場合もあります。
補填換羽
何らかの原因によって抜け落ちた羽がまた生えてくることを補填換羽と言います。
鳥は飛び立つ時に羽が抜けやすく、これは外敵から逃げるためにも役に立ちます。
外的に捕まった際に羽が抜けることで逃れやすくなることを「恐怖性換羽」と言い、飼い鳥の場合何かに驚いてケージ内で暴れまわった場合などに、羽毛がたくさん抜ける様子が見られます。
こうした原因で抜けた羽が生えることが、補填換羽とされています。
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ここまで見て頂いた通り、換羽には種類があり個体差があるので「年に一回春に全身の羽毛が生え変わらなければおかしい」と言うわけでは無いのです。
換羽のしくみとコントロール
換羽は温度や湿度・体調・生活環境・日照時間・栄養状態や健康状態・ストレス・年齢など様々な影響を受けているため、愛鳥の換羽に不安があっても何が影響しているのかを明確に知ることはとても難しいもの。
個体や暮らしている家によって時期や程度にも差があり、換羽が来ないから始めさせたり、不規則換羽が続いているから止めさせたり…というコントロールは出来ないのですが
一度も換羽がこない・一年中生え変わっているなど極端な場合は 検査で何らかの原因が見つかることもあるので、一度鳥を診られる病院を受診してみることをおすすめします。
換羽が来ない場合に考えられること
換羽が来ない原因としては
- 病気などで慢性的に餌の摂取量が少ない
- 肝疾患・甲状腺機能の低下
- 老化現象の一つ
などがあり、老化の場合は仕方がありませんが、病気などの場合は血液検査で原因を調べ治療することが出来ます。
あまりにも換羽が来ない場合は一度診てもらうと解決策が見つかるかも知れません。
換羽が頻繁に来る・ずっと続いている場合に考えられること
こちらは原因を突き止めることがとても難しいと言われていますが
年間を通して同じ湿度・温度・日長で飼育している場合、それらの少しの変化に敏感に反応して換羽が始まってしまう事もあるのではないかと考えられています。
極端に暑い・寒いは文鳥にとって負担になりますが、ある程度季節感のある生活を心がけると変化があるかも知れません。
発情が続いている場合は抑制したり、栄養状態を適切に整えることで換羽が止まることもあります。
また、歳を重ねるほど換羽がゆっくりになり、一度の換羽で数ヶ月かかることもありますので、その場合は保温や餌などに気をつけてあげて、無事乗り切れるようサポートしてあげて下さいね。
文鳥にとって大変だけれど避けては通れない換羽。
春になっても換羽が来ない、なかなか終わらない、しんどそう…など、心配になることも多いと思いますが
鳥には4つの換羽があり個体差があること・コントロールは難しいことなどを踏まえて、出来るだけサポートしてあげ、一緒に乗り越えていきたいものですね。
参考書籍
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