書籍「長生きする鳥の育て方」を読みましたので、感想などを書かせていただきます。
シリーズ3冊目となる本ですが、変わらず大変いい内容でしたので、少しでも興味を持って頂くきっかけになれば幸いです。
基本情報
- 単行本: 144ページ
- 出版社: 誠文堂新光社
- 発売日: 2021/3/17
愛鳥に元気で長生きしてもらうために。
飼いはじめたときから知っておきたい、体・心のケアと「バード・ライフ・プランニング」のススメ
飼い主さんの知識が豊富になり、臨床医療などもすすんでいる今、以前よりも飼い鳥が長生きするようになっています。うちの子にも、少しでも長く健康に、そして幸せに長生きしてもらいたい――どの飼い主さんも、そう願っています。
愛鳥が健康で長生きするためには、若い時期の食事のさせ方や暮らし方、体重管理を中心とする健康管理が不可欠。また、その鳥の生理やメンタルに合わせた飼育も欠かせません。
愛鳥を短命にする要素を一つずつ取り除いていくことで、長生きが見えてきます。
また、健康診断や緊急時の対応など、鳥の医療をどう活用するかも、長寿をめざす鳥にとっては大切な要素になります。
本書は、これらのケアについて、またリスクやそれにどう対応すればよいのかを詳しくまとめました。
飼いはじめたときから、愛鳥のためにしてあげたいことを、やさしく解説する1冊です。
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大きなカテゴリーは以下のようになっており、章ごとにさらに細かく内容を紹介してくれています。
1章 鳥の一生を左右する、もっとも重要な時期を大切に!
2章 鳥の寿命を縮める要因、回避の方法
3章 鳥の心と体への理解が、鳥を護る力になる
4章 生き物は「食べ物」によってつくられる
5章 愛情とコミュニケーションが守る未来
6章 心豊かに長生きのできる暮らしへ ~バードライフ・プランニング
鳥が本当に大好きで大切な人が書いた本
この本はタイトルや紹介文の通り「鳥を長生きさせる」ためにどんなことが必要で何が駄目なのか・鳥の心と体を理解すること…などが書かれているのですが
全体を通して本当に鳥が好きで大切だと思っている人が、鳥を幸せにするために書いた本と言える内容です。
例えば雛時期のお世話や生活環境について、人の生活リズムもあるのでできる範囲で〜では無く、この本では「人の時間を犠牲にしてでもベストな環境を与えられるよう尽くすべき」と言った感じで書かれています。
賛否両論あるかも知れませんが、要はお迎えしたらその命に責任を持ち、出来る限り幸せにしてあげることが当然で義務であると言うことを書かれているのだと思います。非常に共感しました。
軽い気持ちで読むとその責任感の重さや著者の熱意にびっくりしてしまうかも知れませんが、特に小鳥は簡単に飼われ、簡単に手放される事も多いもの。
この本を読んで、責任と覚悟を持って鳥をお迎えする人が増えてくれればと、切に願います。
写真とイラスト・段落による読みやすさは健在
この本は「うちの鳥の老いじたく」「老鳥との暮らしかた」に続くシリーズ3冊目なのですが、全てほぼ同じ構成・イラストも同じ方が担当されています。
シリーズとしても認識しやすいですし、文字量は多いのですが段落とイラスト・写真のおかげで非常に読みやすくなっています。
内容的には結構重たいので1日で読み切れない事もあるかと思いますが、鳥飼いとしては「愛鳥を健康に長生きさせるために」と言うぜひ知っておきたい情報なので、時間をかけても読んで損はない1冊です。
鳥を短命にする原因を詳しく知れる
鳥の命を縮める病気はもちろん、日常生活の中に潜む危険や些細な事柄、さらに鳥の成長具合(雛なのか青年なのかなど)によって気をつけるべき項目も細かく書かれていて、非常に参考になります。
食事や運動・生活リズムなど、「どのようにすれば健康で元気に長生きさせられるか」「どのようなことが鳥の心に影響するのか」を、まるで人間のように記してくれています。
飼い主さんがよく悩む「食べ物のこと」や「1羽飼いは寂しくないのか」などにも詳しく言及しているので、少しでも気になった方はぜひ手に取ってみて下さい。
巻末には下のような索引ページもあるので、病名はもちろん「食べすぎ」「紫外線」など気になる言葉から関連ページを検索する事もでき役に立ちます。
飼育書ではないが合わせて買いたい一冊
この本は飼育書ではないので、初めて鳥を飼う方が飼育の参考として購入するにはベストとは言えません(買う前に揃える物…などが載っている訳ではないため)
ですがお迎えした子の一生を考えた時に必ず役に立つ内容なので、飼育書と一緒に購入したい1冊と言えます。
人の赤ちゃんの食事内容や衛生環境が 後々大きく影響してくるように、鳥たちも雛時期がとても大切。その時間は過ぎてしまってからでは戻れないので、お迎え前に必要な知識と物を用意しておきましょう。
シリーズの前2冊もぜひ読んでいただきたい内容です。すでに鳥を飼っていると言う方にも参考になることがたくさんあるので是非。
タイトルの通り鳥が老いた時(とその過程)の話なので、すでに鳥と暮らしている方にもおすすめです。
予約購入しているこのシリーズ、本当に役に立つ内容で、かつ著者の「幸せな鳥生を送らせてあげたい」と言う熱い思いが伝わってきて毎度感銘を受けます。
書かれている全てを実行するのは難しいかも知れませんが、最初から最後まで できるだけの事をしてあげたいと改めて思わせられる1冊でした。
そして軽い気持ちで鳥を迎えたり・手放したりと言うことが減るように、切に願っています。