人間の子供が色々なことにチャレンジし、失敗したり怒られたりしながら学んで成長していくように、文鳥も学び・成長していくことができる賢い鳥です。
文鳥にとっての学びや成長、慣れや習慣付けに最適な時期を「学習期」と呼ぶのですが、これは人間と暮らす文鳥にとってとても大切な時期。
有効に活用するために、学習期のことを知り、文鳥に覚えさせたい物事は何かを考えてみましょう。
学習期は文鳥にとって教育の時期
学習期とは、文鳥が生まれてからおおよそ4週齢〜11週齢を指します。個体差がありますが、雛毛が生え揃うころ〜雛換羽が終わるころまでのイメージです。
本来文鳥は警戒心の強い鳥ですが、この時期の文鳥はまだ警戒心が薄く、関心や好奇心の方が勝っている状態のため、様々な新しい物事にチャレンジすることができます。
また、この時期に覚えたことは一生忘れないと言われるため、生活習慣を付けたり 危ないものやダメなことを教えたりと、教育にぴったりの時期。
危ないものや場所・行ってもいい場所、飼い主の生活リズムや日々のタイムスケジュールなどを覚えることで、安全かつ快適に暮らせるようになるため、文鳥のためにもぜひこの時期に必要なことを教えてあげましょう。
学習期に覚えさせたいもの・こと
学習期は色々なことを覚えるとともに、好き嫌いが決まる時期でもあるので、好きになって欲しいもの・ことには積極的に関わらせてあげます。
それでは具体的に、学習期に文鳥に覚えさせたい・慣れてもらいたい物事を見ていきましょう。
ケージでの生活
雛の時はプラスチックケースで過ごしますが、4週〜5週齢頃になると大人と同じケージにお引っ越しです。
ケージは文鳥にとっての家であり部屋、1日の大半を過ごすことになる場所なので、ケージの中で過ごすことに慣れてもらいましょう。
必要に応じて止まり木やおもちゃを追加したり、レイアウトを変更したりして、文鳥が快適に暮らせるように工夫してあげてもいいですね。
主食・副食
挿し餌が終わるといよいよひとり餌。
ペレット主食に育てたいならこの時期からペレットを与えると、比較的簡単に慣れてくれる子が多いです(成長になってからだとシード→ペレットへの移行に苦労する場合も多い)
青菜などの副食も与えて慣らしてあげましょう。
放鳥
運動・飼い主とのコミュニケーション・遊びの役割を持ち、文鳥の体と心の健康維持に欠かせない放鳥。
ですが事故が1番多いのは放鳥の時間なので、飼い主側が注意することはもちろん文鳥にも放鳥に慣れてもらい、楽しい時間になるように心がけます。
1日の中で放鳥時間を決めていると文鳥も落ち着いて待てるため、1日1回◯◯時頃などと決めておくといいでしょう。
1日の生活リズム
朝起きてから夜眠るまで、1日のタイムスケジュールを大体決めてあげると、文鳥はその生活リズムを覚えることができます。
起きる時間や寝る時間が一定で1日の流れがある程度決まっていると、体調も良い状態で保ちやすく、「朝ごはんはまだかなぁ」「いつ放鳥してもらえるんだろう…」と言った不安も無くなるので、ケージの中で落ち着いて待てるようになります。
もちろん人の都合もありますので 毎日分刻みで同じスケジュールをとはいきませんが、平日はだいたいこの時間・休日こんな感じ…と決めておくといいでしょう。
保定
爪切りや投薬・病院で見てもらう際など、保定が必要になることも多いので慣れておくと安心。
慣れない子だとパニックになったり発作を起こしてしまうこともありますので、普段の触れ合いの中で慣れさせることができるとベストです。
キャリーケース
お出かけや通院・ケージの掃除中など、キャリーケースに入って欲しいシーンは意外と多いもの。
初めてのキャリーケースが通院で二度と入ってくれなくなった…なんてこともありますので、学習期に「キャリーケースは楽しいものだ」と覚えてもらえるととても楽です。
例えばキャリーケースの中に粟穂や好きな果物などを入れておやつの場所にしたり、慣れてきたら日光浴やちょっとした別荘のように使ったり…生活の中でキャリーケースの存在が自然になるといいですね。
水浴び
体を綺麗に保つことはもちろん、水浴びはストレス発散やリフレッシュにもなりますので、文鳥の心身の健康に欠かせません。
初めに覚えた容器を生涯使う場合が多いため、入って欲しい水浴び容器を毎日用意してあげましょう。
遊び
遊ぶこともまた、心と体のためにとても大切なことです。
身近なもので遊んだり、おもちゃを使ったり飼い主とのコミュニケーションを兼ねた遊びなど色々な方法がありますので、愛鳥が好きな遊びやおもちゃを見つけてあげましょう。
同時に遊んではいけない危ないものなどを教えてあげることも大切です。
人との触れ合い
学習期は好き嫌いが決まる時期でもあるので、出来るだけそばにいたり愛情を持って触れ合ったりしていると、人のことが大好きな文鳥に育ってくれます。
また、例えば強く噛んだりした場合に「それは痛いからやめようね」と言い続けることで、してはいけないこと・やめて欲しいことを教えることもできます。
学習期の接し方で飼い主や人との距離感・懐き具合・信頼関係などが変わってきますので、この時期に十分に愛情を注いであげましょう。
学習期を過ぎての教育は根気強く
学習期を過ぎてからお迎えした場合など、学習期を過ぎたり成鳥になってから新しいものに慣れさせたり教育をすることももちろん可能ですが、大人の文鳥は警戒心が強いため、何事にも飼い主の根気が必要です。
例えば新しいおもちゃを買ったら、まずはケージから見える外に置いておき、1週間程度かけて徐々にケージに近づけ、怖がらなければケージ内に設置する。
保定が苦手なら毎日1回保定タイムを設け毎日続ける、行ってはいけない場所なら「ここはダメだよ」と言って何度でも連れ戻す…
むやみに怒ると文鳥が怖がってしまうかも知れませんので、ダメなこともあくまで普通に言い聞かせ、何度も何度も教えます。
個体差はありますが学習期に教えたり慣れさせるよりも忍耐が必要だと心して、感情的にならずに教えてあげましょう。
何でも覚えられるわけではない
文鳥は賢い鳥ですが、何でも覚えられるわけではありません。どこまでできるかも個体差があります。
一般的には文鳥は喋りませんので言葉は覚えられませんし(こちらが言っていることは分かることもあります)、決まった場所で糞をするということも体の構造上難しいです。芸をさせることも難しいでしょう。
中には喋った・芸をするという子も居ますが、それらは文鳥には難しいと理解して、無理に教えたり出来ないからと怒るようなことは絶対にしないで下さいね。
学習期に教育すべきことの基本は「文鳥と人が共存するため・文鳥が安全で快適に暮らすため」のものごと。
決して人間を喜ばせるためだけに教育するのではないと心得て、必要なことを教えてあげ、できない部分は飼い主が優しくフォローしてあげましょう。
文鳥の一生の中で、1番色々なことに興味がありチャレンジでき、覚えたり学んだり出来る「学習期」
とても大切な時期なので、たっぷり愛情を注いであげながら、日々の生活習慣や必要なことを身につけさせてあげてくださいね。
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